遠い昔の話ですが、小さな店でパソコンを教える講義をしていました。
当時商圏5km以内にそういった教室がなかったことも幸いして、クチコミでうわさが広まり20人くらいの生徒が集まりました。
需要の高まりを感じて、きちんとしたパソコン教室を開こうと決意しオープンすることになりました。
そのときにやったチラシ広告は少しは参考になると思い昔のことながら記録にとどめておきたいと思います。
とにかく初めてなので何をするにも不安だらけ。しかも予算はそんなにありません。そんな中でどうやって広告を打つのか。
広告宣伝は教室を維持するためには必須だったのですごく悩み試行錯誤しました。
目 次
チラシ作りは自分のサービスの特性を知り、ターゲットを決めることから始める
まず始めにやったことは教室に呼び込むお客の姿を想像しました。
- 当時パソコン自体が普及し始めたころで、子供よりもまず大人が覚えようという意識が高い。
- 覚えたいけど周りで詳しい人が少なく、若い人に聞くのも気恥ずかしい。
- そういう顧客層が相手になると勝手に定義。
- また比較的趣味や娯楽に時間を割くことができる年代として40歳以上。
40歳なら早い人で子供の年齢が中学生以上と手離れしている人が多いからです。
この仮定を立てることは、現在では「ペルソナ」と言われいます。
チラシの部数表を入手して自分の商圏を把握する
次に新聞折込の配布先を調べることにしました。
部数表を入手しようと近くの新聞店に行って大失敗しました。
「なにしにきたんじゃ!!帰れー!」って怒鳴られたことがありました。
新聞店は大体早朝に仕事を終えて寝ている人が多いため昼間に行くと不機嫌な人が多いそうです。
もう一つ。近くの新聞店に行っても部数表はありません。
部数表は
チラシ折込センターにあります。
都道府県や新聞社名によって名称が多少異なります。
そこにいくとかなり細かい地域での部数一覧表がもらえます。ここは早朝でなくてもOKです。親切な人が多いです。
センターという名の通り各新聞店に配送するチラシの集積所になっています。私のお世話になったセンターも大きな倉庫の奥に事務所がありました。
フォークリフトが縦横無尽に走っている側を邪魔しないように事務所まで小走りでいく感じです。初めていく人はちょっと威圧感を感じると思います。
そこで入手した部数表を見ていきなりチラシを打つことを考えるのではなく、商圏範囲にどういった人がいるかをとにかく調べなくてはいけません。
通える範囲を車で15分と設定して、教室から15分以内の集合住宅地の家族構成を調べる
田舎ですので、200~300世帯の集落が点在する感じです。
チェックは簡単です。車をその辺に止めてお散歩するだけです。
注意が必要なことは、必ずスーツ姿でメモを取りながら散歩することです。
普通スーツで住宅街を歩いていると不審に思われるかもしれませんが実際は逆です。
田舎でしかも私服で一人で動きまわっていると不審者と間違われます。
集落が小さいので住民同士が顔を覚えていて見知らぬ人の顔はすぐわかります。
なので、きちんと調査しています!っていうのがわかるほうがかえって不安がられません。
調べる方法は自分の感覚で行います。
- 家の古さ
- 自転車の数(小さい自転車があれば小学生以下の子供がいるということ)
- 土地、建物の大きさ(所得の把握)
- 井戸端会議(主婦の立ち話)をしているか
- 2世帯は多いかどうか
- 公園の子供の数が多いか少ないか
当然これらのことを効率よく調べるには
夕方の3時~6時までの3時間の間に調査する必要があります
最初は歩いて見て回りますが、集落を10個以上見続けていると、車で団地の中を通過するだけでおおよそ上記の内容は把握できます。
これらの調査を10000世帯分くらい行うと3000世帯くらいはチラシ広告の対象から外れます。
把握ができたら表にしてまとめておきます。
この調査のおかげで無駄な広告を3000枚は得をします。
教室なので少なくとも2ヶ月に1回以上は広告を打つので金額にするとバカになりません。
少ない世帯数ならチラシではなくポスティングがいいのではという考えは大間違い
ポスティングとチラシ広告では格段に違う決定的なことがあります。
チラシに対する信頼度
これが全く違います
これはポスティングの投げ込みとは大きく違うものです。
見てもらうものは結果として同じものなのですが、受け取り手の心の準備が全く違います。
ポスティングのチラシは
「あ~あ、また沢山きてる。もう捨てるの大変だから入れてくるなよ」
と思われることも多いはず。それに対して新聞広告は
「さあ今日はどんな広告があるかな!?」
とワクワクしてみてもらえます。
ここでチラシの価値に何倍も差が出てしまいます。
今までポスティングに頼っている人は一度でもいいので新聞広告を入れてみてください。
今までとは違った客層の人たちから問い合わせがあるかもしれません。
配布までの準備ができたらいよいよチラシデザインの作成
チラシのサイズは、B4の大きさで作ります
半分に折った上部にインパクトのあるキャッチーな言葉と40代以上の人が「なんだろこれ?」と思われる絵を大きく入れました。
下半分に、開催する直近の教室の予定と料金を、極力わかりやすく入れました。
よくチラシ作成のマニュアルでは「目線を意識して!Zの文字になるような配置で」といわれますが、実際には全く関係ありません。それは商品点数の多いスーパーなどのチラシの場合です。
弱小個人商店は、手にとってもらえるかどうかが勝負なんです。目線なんて関係ありません!
そのために、チラシは帯チラシをゲットして、さらに目立たなくてはいけません。だから、上半分にキャッチーな絵とメッセージを入れます。
帯チラシをゲットする条件
確実に帯チラシになる方法は存在します!
以下のことをするだけです。
- B4のザラ紙(コピー用紙)を使う
- 片面だけのチラシにする
- 配布は月曜日か金曜日を狙う
B4のザラ紙を使うのは、帯広告として絶対に外せません。理由は
- 他社の広告をしっかり束ねて紙がざらざらなので滑らず抜け落ちない。
- 印刷を片面にするのは、他のチラシを汚さずに済む。
- 月曜日か金曜日の配布はチラシの量が多く、チラシの束が2~3個になる可能性が高い。だから帯チラシも2~3枚必要になる。
今は多少違うかもしれませんが、私の場合、帯チラシの確立が7~8割でした。
あと、印刷を外注すると業者がセンターまで持って行ってくれますが、あえていったん自分のお店に納品してもらっていました。
自分でセンターに部数表を持っていって、顔を覚えてもらいました。
そのかいあって、多少融通してくれることもあり、帯チラシの確立も上昇しました。
チラシの裏面に広告を印刷しないことで意外な効果もありました
裏面を真っ白にすると、子ども用のお絵かきや切ってメモ帳にする人も。
一番驚いたのが、とある会社で「あそこのチラシがあったら持ってきてくれ!」裁断して電話メモに使うから!と従業員に通達があったそうです。
なぜそれを知ったかというと、そこの従業員の人たちが何人か受講に来たからです。
最初は電話メモかい!と思いましたが、教室の名前の浸透が早い理由がこういったところからあったのかと改めて実感しました。
大体こんな感じですが大切なのはもちろん中身です。
広告をいくら打っても、お客様の満足度を高めなければ口コミへとつながりません。
最後に
今の時代ならネット通販にも通じるところはあるかもしれません。
ネットで広告を打つにしてもペルソナを設定してLPを作って、商品やサービスの満足度を高めて・・
ネットはリアル店舗よりも調査や広告にお金がかからない分、雑な広告を打ったりするのかもしれません。
小規模なリアル店舗、小規模なネット店舗でも必ずよい広告施策があるとおもいますので、この記事がその一助になれば幸いです。
新聞チラシ広告と併用したいネットのクリック広告
1クリックに対してお金を払うクリック広告は、地域を絞ればかなり効果的にユーザーへアプローチできます。
商圏範囲よりも少し広く設定することで、見込み客の増加が期待できます。まだやっていない人は、絶対にやるべきです。
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