大小にかかわらず会社を興すということはすごくエネルギーが必要になります。
起業するまでは色々大変です。人、物、金、情報、全てそろっていません。
でも本当に大変なのは起業した後です。
わたしは起業して15年になりますが、昔と違って今は簡単に起業できるようになりました。しかし、簡単に市場から退場する人も多くなったような気がします。
どんなことでも続ければ何か得るものがあるものです。しかし続けていくためにはそれなりの覚悟も必要です。せっかくすばらしい志を持って起業しても倒れてしまっては意味がありません。
目 次
何のために会社を作るのか?
今回は本当に最初の最初、「理念」についてです。
「何のための会社なのか」そもそもこの問題が一番大きい問題になります。
何のためにということ(理念)が明確になっていないと会社は長続きしません。
わたしの場合は個人事業で3年くらいやっていたので会社にするのは特に理由は考えませんでした。
対外的な信用がほしいのと社員を採用するときにどうしても個人事業主だと人が来ないというのがあったからです。
理念は個人事業のときに考えたのもあったので、会社化(法人成り)はスムーズでした。
ただ、ここで後悔したことは「もう一度法人成りしてからの理念を考えればよかったと思います。
個人事業とは仕事の幅もお金の使い方も変わってきます。
理念とは
その会社の事業活動の根本の考え方です。
個人事業主のときは「コンピュータに関連した仕事で、人や会社の役に立つ」でした。
法人成りした後も同じ理念でやっていましたが、掲げる理念とは違う事業活動が主体となるようになってきました。
そこで途中から理念を変更し、今は「インターネットを通じて人々の暮らしに役立つ情報を提供する」です。
初めて会社を起こす人はこの理念から取り組む必要があります。
お金が欲しいからというのは理念ではない
個人の目標とか欲というのは、限りなく出てきます。
理念というのは
「自分が起こす会社を通じて社会にどうやって貢献するのか」
ということです。
このことが、「きれいごと」と思う人は長く続けられない人です。
そりゃ人間です。沢山お金は欲しいし、良い暮らしをしたい。でもそれって起業家じゃなくてもみんな思うことです。
起業家とはその自己利益を超えて事業活動をするから人よりも多く報酬をもらえますが、失敗して負債を抱えるリスクも持つことにもなります。
理念というのは
事業が良い時に調子に乗らないための言葉であり、事業が悪いときにもう一度奮い立たせる言葉です。
でも他人が聞いたら、「きれいごと」に聞こえる言葉です。
きれいごとが理念に変わる瞬間
経営というのは波があります。その波に負けず理念を貫いて乗り越えて結果を出したとき初めてきれいごとが理念になります。
「ああ、君の理念は本当にそう思っていたんだね」と人が共感するときです。
映画「ワンチャンス」を見ました
WOWOWで、オペラ歌手 ポール・ポッツの半生を描いた「ワンチャンス」を見ました。
彼は、オペラがとにかく大好きで、歌うことがたまらなく好きな青年。
自分の歌声を多くの人に聞いてもらいたい。その想いで学校に行くが認められず、細々とショーをすることになるが、病気や事故で何度も歌えなくなります。
携帯ショップの店員で細々と暮らしていましたが、TVのオーディション番組が目に止まり、もう一度歌を歌いたいと想いで出場。初回からいきなり人を感動させ優勝し、本当のオペラ歌手になるという夢をかなえたという実話を元にしたお話です。
ここでいう理念は「自分の歌で多くの人を感動させる」というものです。
この理念こそが最後まであきらめずに続けられた理由ではないでしょうか?
時代と共に理念も変わる
よくコンサルタント主催の起業セミナーに行くと、一生変わらない理念を作れというようなことを言う講師がいます。
でもそれは間違いです。自分も社会も時代と共に急激に変化していきます。
その中で、一生貫けるほどの理念を描くことができたらその人は世紀の大事業家になることでしょう。
ただコロコロ変わるような理念ではいけませんが、自分の会社が何か大きな節目を迎えて理念をもう一度見直すという作業は必要になるでしょう。
人に言われて「続けてよかった」と実感
先日、同業の社長に「○○さん(私)って本当に昔言ってた通りのことが出来ているよね」と言われました。
6~7年前、その社長に「なんで今の仕事をやっているのか?」と聞かれたとき、「ネットのメディアで世の中の役に立ちたい」と話したことを覚えていたらしく、先日1年ぶりに世間話をしていた最中に言ってくれた言葉です。
そこから、大変興味を持ってくれたのらしく、長い付き合いにもかかわらず、今度久々に飲みながら話すことになりました。
やはり、人はまっすぐに自分の道を進む人に惹かれるのではないかと思います。自分もそういった人に惹かれるので。
でもわたしはそんな立派な人間ではありません。理念をもって取り組んでいる結果、ぶれない自分が創られたのではないかと思います。
起業する人、すでに起業していて理念がまだない人も何か岐路に立たされたとき、自分の行くべき道を選択する指標として理念を考えてみてはいかがでしょうか。
まだ理念とかも無く、漠然と起業したいなと思っている人にはフランチャイズも選択肢の一つです。
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